第1回 -史ちゃんと村のひみつ編-

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表情
【静樹】
「女装山脈、はっじまっるよ〜〜〜〜!」
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【史緒】
「わぁい!」
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【静樹】
「ヤッホー! 皆様はじめまして! あなたの男の娘、曲林静樹(くるばやししずき)だよ」
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【史緒】
「男の娘巫女の日枝田史緒(ひえだふみお)です。男の娘ですよ、女の子じゃありませんよ。初めての方はご注意くださいね♪」
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【静樹】
「そうだよ、時代は女装! ついてるアイドルは当たり前! 男の娘という栄光を歴史に刻みつけるんだ!」
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【史緒】
「ここは【女装山脈】の紹介コーナーです。毎回、みんなが気になってる、あんなことや、こんなことを、紹介していきますよ」
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【静樹】
「と言うわけで、トップバッターは史ちゃん! 早速いくよ!」
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【史緒】
「はい、どうぞ」
表情
【静樹】
「まず不思議なんだけど、この村って全員が男の娘なのかな?」
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【史緒】
「いいえ、男の娘も居れば、男女も居ます。でも若者は全員男の娘よ。だから私は男の娘巫女なの」
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【静樹】
「男の娘巫女ってなに? 日本語がだいぶ怪しくなってきたよ史ちゃん」
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【史緒】
「男の娘で巫女だから、男の娘巫女なの。とっても簡単でしょ?」
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【静樹】
「それ、回答になってないと思うな」
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【史緒】
「受け入れるの。それがこの世界の真実なのよ」
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【静樹】
「史ちゃんの言うことは難しいや、なんだか宗教みたいになってきちゃった」
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【史緒】
「巫女さんですから」
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【静樹】
「そう言えば、僕たちどうして女の子の格好してるんだっけ?」
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【史緒】
「それはね、村の言い伝えに記録が残ってるわ。昔、男好きの疫神が村で伝染病をはやらせて、若い男の命を奪っていったの。疫神から目をそらすため、女装させて育てていく風習が、今に残ったとされているわ」
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【静樹】
「なるほど、勉強になったね」
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【史緒】
私は神社で巫女をしているの、男の娘しかできない神聖なお役目なのよ」
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【静樹】
「質問質問! 神聖な巫女さんが、こんなことしていいのでしょうか!」
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【史緒】
「私が仕えている神様は、男と男の娘の縁も結んでくれるのよ。だから、これは神様公認」
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【静樹】
「そうなの? アバンギャルドな神様だな」
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【史緒】
「男と男は駄目だけど、男と男の娘ならHができます。なんなら子供も作れちゃうのよ」
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【静樹】
「そっか! ボクも男の人とHして良かったんだ」
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【史緒】
「そう、Hしちゃっていいの。この村は数百年前からずっとそういうサイクルで、子供をなしていたのよ」
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【静樹】
「あれ? そうなると、この村って男と男の娘のカップルだらけってこと?」
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【史緒】
「それは違うわ。今居る男の娘はわたしたちだけ、普通に男女のカップルも居るけど。昔は女性の出生率が低かったから、男と男の娘で子供を生む力を巖神様から授かったとか」
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【静樹】
「巖神様、それがラスボスの名前なんだね!」
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【史緒】
「いや、敵じゃないわよ。村を守ってくれる有難い神様なんだから」
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【静樹】
「史ちゃんの神社は、その巖神様を祭ってるってことだね」
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【史緒】
「そういうことなの。巖神様から遣わされた御使い様が、過去にこの村を救った。だから行人さん(主人公)に仕えるのは私の役目ということなのよ」
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【静樹】
「史ちゃんって、神話の時代を生きてるんだね」
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【史緒】
「神に仕える乙女ですから」
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【静樹】
「いや、僕たち男の娘だって」
表情
【史緒】
「オチがついたところで、第一回はここまでですよ」
表情
【静樹】
「『女装山脈』のことが、少しは理解できたかな? また、このコーナーで会おうね。アデュー!」
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